皆さんこんにちは角餅雄です。
今回は今現在柔道整復師の資格を取得中だけど接骨院や整骨院で働いたことのない人や、これから柔道整復師の資格を取りに行こうか考えているけど接骨院や整骨院ってどんなところなんだろうと思っている人に向けて、
今の接骨院(整骨院)業界についてめちゃめちゃリアルにお話ししていきます。
この記事を読むことで、
これからどんなところで働くのかをイメージしやすくなり、どんな整骨院へ就職すればいいのかをなんとなく理解できるようになります。
ちなみにこの記事を書いている角餅雄はこんな経歴です。
建材卸会社の営業職→柔道整復師の専門学校→整骨院グループ→某メーカー広報→独立
接骨院(整骨院)には大きく分けて3種類ある
接骨院(整骨院)は現在コンビニよりも件数が多いため、街中には様々な種類の接骨院(整骨院)があります。これらの接骨院(整骨院)はすべて同じ業務内容かと言うと正直そうではありません。そこでわかりやすく3タイプに分けてみたいと思います。
保険型
保険型とは読んで字のごとく、健康保険等で患者さんのケガを治す接骨院(整骨院)です。
昔ながらの町中にある接骨院(整骨院)はこのタイプです。子供のころケガをして連れていかれるのがこのタイプです。
保険+自費型
保険+自費型は保険型と自費型のハイブリットです。健康保険での施術がメインですが、施術できる幅を広げるために+αで自費施術(保険が適応されない施術)を行います。この3タイプの中ではこれが一番多いタイプです。
自費型
最近増えてきている自費型です。自費施術メインですがごく一部保険診療も行っており、自費と保険の割合は9:1ぐらいのタイプです。駅前や目立つ看板が出ているところはだいたいこのタイプです。
ん?接骨院(整骨院)って保険でケガを治すところじゃないの?
そう思ったあなた正解です!そのあたりに接骨院(整骨院)業界の闇が潜んでいますので次の項目で詳しくお話ししていきます。
なぜ3種類あるのか?
理由は大きく分けて2つあります。
1、保険請求が厳しくなり以前の様に療養費を受け取れなくなった
2、接骨院(整骨院)の数が多いが、患者さんが来る割合が少ない
1、保険請求が厳しくなり以前の様に療養費を受け取れなくなった
接骨院(整骨院)とはそもそもケガを健康保険を使って施術する場所です。
このケガは、骨折、脱臼、打撲、挫傷、捻挫という明らかなケガに限られます。
では腰痛や肩こりの場合健康保険を使えるのでしょうか?
答えは使えません。
では腰痛や肩こりで接骨院(整骨院)に通っている人は健康保険を使って施術を受けているのでしょうか?
答えは使っています。
これはどういうことかと言うと、接骨院(整骨院)側が腰痛や肩こりをケガということにして保険請求を行っているのです。
他にもいわゆる部位転がしやら不正請求やらが重なり、結果として保険の請求はどんどん厳しくなり、療養費も少なくなっています。
そのため、保険を使わない自費での施術というものが現れ、3つのパターンが生まれたのです。
2、接骨院(整骨院)の数が多いが、患者さんが来る割合が少ない
これらに関しては、純粋に整骨院も増え、病院も増えたため昔の様に繁盛しなくなったということがあげられます。そこで、今までの保険診療ではなく自費での施術をはじめるところが増えていきました。
そして現状では、上記の3タイプのような棲み分けがなされている状態です。
なんだか暗い話になってきましたね…ですがこの業界もちょっとづつですがいい方向に変わって言っている途中です。だからこそ各タイプのいったいどれに就職すると良いのかを、各項目に合わせてみていきましょう。
各タイプのメリットとデメリット
これからお伝えする各項目の内容は、私に実体験+周りからのヒヤリングをもとに作成しています。特定の場所ではなく、あくまで平均値として参考程度にご覧ください。
保険型
各種条件
給料 15~20万
労働時間 9:00~19:00(休憩3時間)
休日 週1.5休(土曜だけ半日)年間休日100~105日
福利厚生 社保なしの場合がほとんど
仕事内容 ケガの施術等
メリット
地元で有名なところであれば外傷を見る機会もある
→ケガをしたらあそこに行こうというイメージがあれば外傷を見る機会が豊富にありますが、正直整形外科に勤めたほうが大きなけがを見る機会はあるかも。外傷治療をしたいんだ!という人にはおすすめです。
デメリット
労働条件がきつい
→正直修業期間だと思わないと割には合わないと思います。労働時間に関しては、これにプラスして、前後1~2時間くらいは取られると思ってください。
社保はない
→ほかの業界の人に話すと引かれるポイントです。接骨院(整骨院)業界は法人化していたり、よほど福利厚生に力を入れていない限り社保などはありません。
労働時間以外にも朝練や夜連などがある
→柔道整復師が1人の接骨院(整骨院)の場合朝練、昼連、夜連という形にしない限り、新人さんに教える時間はありません。まさに修行といった感じです。
レセプトの処理がきつい
→ガンガン保険を使っている接骨院(整骨院)のマジなブラックポイントです。このレセプト(施術した分の療養費を請求する用紙)の処理がものすごく時間がかかります。1件1件どうしてけがをしたのか、どんな治療をしたのか等様々書いていかなくてはいけません。正直月末はこれの処理で深夜まで帰れないとかはザラです。最近はレセコンといってレセプトを処理するソフトも多いですが、保険診療の件数が多いと時間はかかります。
自費+保険型
各種条件
給料 18~22万
労働時間 9:00~20:00(休憩2~3時間)
休日 週2休(ただし祝日は仕事の可能性が高い)
福利厚生 複数店舗がある場合や法人であれば社保があることも
仕事内容 外傷の施術、自費での施術等
メリット
保険と自費を両方体験できる
→一番のメリットはここだと思います。ケガが来ることもありますし、院にもよりますが自費施術も学べて、独立には割とおすすめです。
労働条件やお給料などが保険型よりいい
→自費施術を入れた分労働条件やお給料などは保険型よりも良い場合が多いです。人数が多ければ、研修などで技術や対応を学べる機会があります。
店舗展開している院であれば出店や院長を目指すこともできる
→複数店舗を持っている接骨院(整骨院)のメリットです。年功序列感は否めないですが、年数を重ねていくと院長や新規出店などに携われることもあります。
デメリット
自費型に比べると自費を売る力がつかない
→バランス型の辛いところですが、保険施術の延長で自費施術という場合は、自費施術だけを売る力は正直つきません。
レセプトの処理がきつい
→保険型ほどではないですが、レセプトの処理はあります。12時までに帰れれば御の字です。
研修ではなく徐々に覚えて施術に入ることが多い
→院のスタッフが1~2人の場合は研修がない事もあります。その場合朝昼夜と練習が入る可能性が高いです。
自費型
各種条件
給料 18~22万
労働時間 10:00~20:00(休憩2~3時間)
休日 週2休(ただし祝日は仕事の可能性が高い)
福利厚生 社会保険がある場合が多い
仕事内容 自費での施術、一部外傷の施術
メリット
自費の売り方がわかる
→これがかなり大きいメリットです。自費で施術をする以上自費の施術で満足していただきリピートしていただく必要があります。そのため、初回対応のトーク内容や施術内容をはじめに叩き込まれるので、確実に身につきます。
入社後の研修などが充実しているところが多い
→自費型であれば正直研修は必須です。そのため、全くの未経験でもきちんと手技や患者さん対応を学ぶことができます。
出店や院長を目指せる
→多店舗展開しているところがほとんどですので、新規出店や院長になることは割と現実的です。ですのでいろいろな経験を積むことができます。
レセプト処理はほぼない
→保険での施術を行う機会自体少ないため、レセプト処理はほとんどない場合が多いです。
デメリット
実力社会
→自費型は売り上げを作ってなんぼなので、他のタイプよりも営業職のイメージが強いです。そのため、売り上げの結果などもシビアにみられます。ただ、逆を言えば結果を出せていればどんどん昇格して、昇給していくのでこういった競争がどうしてもいやでなければいい環境です。
整体院などが競合になる
→正直業務内容は整体院などとあまり変わりません。なので、そういったところが競合にもなります。
将来性があるのはどのタイプ?
現在の接骨院(整骨院)業界を考えると、今後は自費型が増えていくと考えています。
保険の適応がなくなることはおそらくありませんが、締め付けはもっともっと厳しくなり、腰痛や肩こりなどで保険を使える確率はかなり下がると思われます。正直業界が健全化するので、私としては賛成です。
ただ、本来の外傷を施術するという機会は少なくなるかもしれません。
介護施設で機能訓練指導員として働けるようになったこともそうですが、時代に合わせて柔道整復師と言う資格も形を変えているのだと思います。
ですが覚えておいて欲しいのは、仕事内容が変わっていったとしても、困っている人を助けるという本質は変わらないので、この仕事をやっていてよかったと思える瞬間は会社員の時よりたくさんあるはずです。
ただ、今後は自費メインが主流になる可能性が高いと考えておりますので、今のうちに自費での施術や対応を身につけてしまったほうがいいんじゃないかなと思っています。
ちなみに就職後も転職や独立をする方も多いです。
まとめ
接骨院(整骨院)には大きく分けて3種類ある
→保険施術メインの保険型、保険と自費施術をする保険+自費型、自費施術メインの自費型に分かれます。
なぜ3種類あるのか?
→昔の(今でもバリバリやってる)柔道整復師が悪さをしたせいで保険施術だけでは食えないところが増加し、自費施術という選択肢が出てきた。
各タイプのメリットとデメリット
・保険型
→正直修行なので働き方とかの次元ではない
・自費+保険型
→入る院によって差が大きいので、施術者の人数や店舗数福利厚生などをしっかり調べたほうがいい
・自費型
→今後は主流になる可能性が高い。ただ実力社会なのでそこは覚悟のうえで。
将来性があるのはどのタイプ?
→将来性があるのは自費型だと考えている。形は変わるが仕事内容の本質は変わらないので、誰かの役に立っているという感覚はとても感じられる。
いかがだったでしょうか?
今回は接骨院(整骨院)で働いたことがないという方に向けて、いろいろなタイプの院があることをお話ししました。
めっちゃリアルにお話ししておりますので、他の記事もぜひご覧ください。
ここまでご覧いただきありがとうございました!それでは角餅雄でした!
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